與五澤 憲一(よごさわ けんいち)
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ビジネスを行う上で、集客が最も難しいです。そのため、多くの人はここで悩み、最悪の場合、倒産してしまうこともあります。
このようなリスクを回避するために、「なんとかしてお客様を集めよう」と考え、広告を出したり、知り合いに声をかけたりしても、なかなか集客には繋がりません。これは当然の話です。
なぜなら、集めようとしているお客様の種類を間違えているからです。
実は、商品やサービスには興味があっても、いますぐに購入決定する見込み客は全体の1%程度しか存在しません。
つまり、残りの99%の人に声をかけても、すぐにはお客様になってくれないということです。このような見込み客ではない人のことを、潜在顧客(せんざいこきゃく)と呼びます。
実は、多くの企業はすぐに商品を購入してくれるたった1%しかいない見込み客を奪い合っているから、思うように集客ができなかったり、価格競争に巻き込まれたりしているのです。
これが原因で、売り上げは上がっても思うように利益が出ず、自転車操業のようになっている会社は非常に多いです。
顧客単価の高い優良顧客を集めたいのであれば、残り99%の潜在顧客にフォーカスを当て、見込み客になるように教育してあげる必要があります。
しかしながら、集客について勉強してきていない人にとって、この違いを理解するのは難しいです。
そこで本記事では、あなたのサービスにお金を支払ってくれる可能性のある潜在顧客について細かく解説していきます。
これを学ぶことで、潜在顧客を見込み客にできるようになり、あなたの言い値で商売をしても喜んでお金を支払ってくれる優良顧客を集めることができるようになります。
潜在顧客とは
冒頭で述べた通り、いますぐにあなたの商品やサービスにお金を支払ってくれるお客様は1%しかおらず、残りの99%の人はこの潜在顧客に当てはまります。
潜在顧客とは、「あなたから商品やサービスを購入しなければいけない必要性に気づかせることで、見込み客へと変わる可能性がある人」のことです。
要は、現段階では必要性を感じていないものの、なにかのきっかけがあれば購入決定をしてくれる確立が高い人のことを指します。
このとき、潜在顧客のことを見込み客と呼ぶ人もいますが、弊社の場合は違います。
見込み客との違い
弊社では、見込み客の定義を以下のように考えています。
見込み客の定義:見込み客とは、1度でもアプローチをして、必要性を認めた、支払い能力のある個人および法人
つまり、一度も接触をしたことがなかったり、商品やサービスの必要性を認めていなかったりする人は見込み客ではありません。単なるリストです。
そうではなく、見込み客とは文字通り、あなたのビジネスにお金を支払ってくれる「見込みのあるお客様」と考えてください。
こう考えると、「数少ない見込み客を獲得するのは難しいのでは?」という意見をくれる人がいますが、やり方さえわかれば簡単に集めることができます。
潜在顧客は教育することで見込み客へと変化する
実は、潜在顧客に対して顧客教育を行うことで、商品やサービスを購入してくれる段階の見込み客へと変化させることができるのです。顧客教育とは、分かりやすく言うとお客様に「商品の必要性を認めさせること」を指します。
ただ、お客様を教育するためにはそれなりの時間がかかります。「今は無くても大丈夫」と思っているお客様に必要性を認めさせて、さらには購買決定をさせなければいけないからです。
たとえば、テレビでは毎日のように新商品のCMが流れていますが、「それが欲しい」といったことにはなかなかなりづらいです。それどころか、「広告は迷惑」あるいは「邪魔」といった印象を受けることの方が多いのではないでしょうか。
しかし、これが毎日のように続いていると、話題になったり店頭で見かけるようになったりして少しずつ気になり、同じような商品が必要になったときに無意識にそれを選んでしまうはずです。
たとえば、車やマイホームなど、名前を聞いたことがない会社の商品を買いたいと思いますか。たとえ目の前に優れたものがあったとしても、見慣れた会社のものの方が安心感があるため、それを選ぶのがセオリーでしょう。
このとき、一度も利用したことがない会社の製品であっても、無意識レベルで「無名のメーカーは怖い」「大企業の方が安心感がある」といった考えになっているはずです。
実は、これは大手企業がしっかりとマーケティングをしているため、私たちは無意識にその商品やサービスに対する抵抗や不信感が無くなっているのです。
このように、何度も見たり聞いたりすることで親近感がわく現象を、心理学では「単純接触効果(ザイオンス効果)」と呼びます。人は繰り返し同じものを見聞きするだけで、少しずつ警戒心が薄れていくのです。
たとえば、あなたが住んでいる近所に飲食店ができたとしても、理由がなければ「行ってみよう」という考えにはなりづらいはずです。そもそも、話題にすらならないため、「その存在すら知らない」という人がほとんどというパターンが多いのではないでしょうか。
地元にあるおいしくて雰囲気の良いお店になかなかお客様が集まらないのはこのためです。「知る人ぞ知る」で繁盛すれば問題ありませんが、集客ができなければ価値はゼロであり、倒産するだけです。
その一方で、テレビや広告でよく目にする大手チェーン店やコンビニが開店すれば、無意識に利用してしまいます。
お店が始まる前であっても、「あそこに〇〇ができるらしい」といった噂が広まり、完成する前から「行ってみたい」という考えになった経験があるのではないでしょうか。
これは単純に、潜在顧客の段階から広告や口コミを見聞きしていたため、少しずつ気にかけるようになり、無意識に見込み客へと変化をしているからです。これがマーケティングです。
地元にあるおいしくて雰囲気の良い店よりも、大企業が展開するフランチャイズ店の方が圧倒的に混み合う理由はここにあります。
あなたもこれと同じように、まだ見ぬお客様が「〇〇(あなたが提供している商品やサービス)がしたい・いきたい・欲しい」と思ったとき、真っ先にあなたのことを思い浮かべる存在にならなければ集客はできません。
これについては、以下の記事で全貌を述べているため、集客の本質を学び取ってください。
既に購買意欲の高い見込み客を集客するのではなく、将来お客様になってくれる可能性がある潜在顧客を集めて教育することで、お客様の方から商品やサービスを求めてくるようになります。
要は、顧客教育のスキルを身に着けるだけで、数少ない見込み客の奪い合いから抜け出すことができるようになるのです。
顧客教育によって見込み客になったお客様は利益率が高い
同じ見込み客であっても、潜在顧客の段階から顧客教育をしてこれになった人の方が、圧倒的に利益率が高いです。
教育によって見込み客になるということは、あなたから商品やサービスを買わなければいけない必要性を認めたファンになることとイコールだからです。
つまり、顧客教育によって見込み客になったお客様は、「これが欲しい」といった考え方ではなく、「ここで欲しい」といった思考になっているため、商品やサービスの値引きをしなくても喜んで買ってくれるようになるのです。
お客様に「他では手に入らない」と思わせることができれば、価格競争に巻き込まれる心配は無くなります。極端な話、あなたの言い値で商売ができるようになるため、会社は潤うようになり、それをお客様に還元することで更にビジネスは拡大していきます。
集客を成功させたいのであれば、むやみやたらにお客様を集めようとするのではなく、潜在顧客に対して顧客教育することに専念してください。
これさえできれば、見込み客を奪い合うことなく、あなたはその分野で独り勝ちできるようになります。
次項からは、お客様を4つの種類に分けて、それぞれに適した顧客教育の方法について解説していきます。
お客様の4つの種類
ここまで、お客様の種類を「潜在顧客」と「見込み客」の2つに分けて説明してきましたが、実は細かく分けると4種類に分類することができます。購買意欲が高い人もいれば、そうでない人もいるからです。
これをしっかりと理解することで、お客様の状態に合わせた適切な顧客教育を行うことができるようになります。
まずはお客様の種類を説明する前に、基本である「ニーズ(必要性)」と「ウォンツ(欲求)」についておさらいしておきましょう。
人が購買決定をする際は、このニーズとウォンツの両方が高まったときであり、それ以外は商品の購入をためらっています。これを図にすると以下のようになり、お客様の4つの種類が見えてきます。

ここまで解説してきた「商品やサービスに対してお金を支払ってくれる可能性があるたった1%の見込み客」とは、上記図の「いますぐ客」のことを指します。
それ以外は、「そのうち客(9.5%)」「おなやみ客(9.5%)」「まだまだ客(80%)」という内訳になり、これらを合計して99%の潜在顧客となります。
1つずつ見ていきましょう。
これより先の理解を深めるために以下のを読み、お客様が何を求めているのかを知っておきましょう。
いますぐ客(ニーズ高:ウォンツ高)
いますぐ客とは文字通り、今すぐに商品やサービスが欲しいという欲求(ウォンツ)があり、そのニーズ(必要性)を満たすことができるものを提案してあげることが出来れば、簡単に制約してくれます。
広告を出して瞬時に反応するお客様は、このいますぐ客だけです。
多くの企業はいますぐ客を集めようとしてしまうため、競合他社との価格競争に巻き込まれてしまいがちです。たった1%しか存在しないお客様を奪い合うことを考えると、仕方のないことかもしれません。
おなやみ客(ニーズ高・ウォンツ低)
商品やサービスに対するニーズ(必要性)は感じているものの、「これが欲しい!(ウォンツ)」といった決定打がない人のことです。製品を製造しているメーカーや値段で迷っていることが多いです。
そのうち客(ニーズ低・ウォンツ高)
商品やサービスに対する興味はあるものの、「本当に必要なのか」といったことを考えている人のことを指します。
資料請求をしてくれたりメルマガ会員に登録してくれたりする人は、そのうち客が多いです。
まだまだ客(ニーズ低・ウォンツ低)
商品やサービスの必要性はもちろん、「欲しい」といった欲求がない人のこと。全体の80%を占めていることから、これを見込み客へと変えることができれば、あなたのビジネスにどれほどの影響を及ぼすのか簡単に予想できるはずです。
セールスファネルから見る潜在顧客の獲得方法
このように、お客様は4つの種類に分けることができます。
もし、ここに商品やサービスのセールスを行った場合、売り上げの8割をいますぐ客が生み、残りの2割はおなやみ客とそのうち客から生産されます。
まだまだ客に関しては、ニーズもウォンツも持ち合わせていないため、お金を出してくれる人はいません。
ただし、これはあくまでも例え話であり、むやみやたらにこれら4種類のお客様全てにオファーを出してはいけません。「商品が欲しい」と考えているいますぐ客以外に売り込みをかけてしまうと、クレームを受けるだけであり、嫌われてしまうからです。
これは将来、見込み客になる可能性があったお客様を突き放してしまう行為とイコールです。
たとえば、まだ商品がいらない段階で資料請求をしたとします。それと同時に、広告が送られてきたりセールスをされたりしたら、あなたはどのように感じるでしょうか。嫌な気分になり、二度とそこのサービスを利用しないはずです。
大切なのは、無理やり売り切ろうとするようなオファーではなく、潜在顧客へ顧客教育を行うことです。
「おなやみ客」や「そのうち客」はもちろんのこと、全体の80%にもおよぶ「まだまだ客」に対して適切な教育ができれば、多くの人がいますぐ客へと変化して大きな利益をもたらしてくれるようになります。
この流れを「セールスファネル」と呼び、図にすると以下のようになります。

セールスファネルの「ファネル」とは、ペットボトルなどに水を移すときに使用する「漏斗(じょうご:ろうと)」に似ていることから、この名前が付けられています。
上記図を見て分かる通り、お客様は教育をしていくことで、次第にいますぐ客へと変わっていきます。
多くの会社はいますぐ客しか集めることができないから苦しみ、価格競争へ巻き込まれてしまいます。
そうではなく、まだまだ客、おなやみ客、そのうち客をいますぐ客へと教育することが重要です。これさえできれば、大きな利益をもたらしてくれる高単価な優良顧客が集まるようになり、集客で困ることは一生なくなるでしょう。
次項からは、顧客教育の方法について詳しく解説していきます。
ちなみに、顧客教育をするのは、自社のサイトやブログを作成する方法をお勧めします。集客から教育までのプロセスを全て自動化できるからです。具体的手法については以下の記事を参照してください。
購買心理を刺激する顧客教育の方法
先に述べた通り、人はニーズ(必要性)とウォンツ(欲求)が高まったときに購買決定をします。
そのため、顧客教育で行うのは、「ニーズの教育(必要性を認めさせること)」と「ウォンツの教育(欲求を高めること)」だけです。

潜在顧客の属性を見極めることで、どのように顧客教育をすればいますぐ客へと変わるのかが分かります。
早速、以下から具体的手法を紹介していきます。
顧客教育とは、お客様に価値を感じ取ってもらうことである
顧客教育といっても、難しく考える必要はありません。小手先のテクニックを使用するのではなく、お客様に価値を感じ取ってもらうだけだからです。
実際に、商品やサービスに対する必要性や欲求を刺激するためには、そこに価値がなければいくら売り込んだとしても誰もお金を支払ってはくれません。
しかし、多くの人はこれを勘違いして無理やりセールスをしてしまいがちです。これはたとえるなら、切れない包丁で肉を無理やり切ろうとしていることと類似しています。これではお客様に嫌われて当然です。
そうではなく、「あなたが扱っている商品やサービスを利用することによって、お客様はどのようなベネフィット(利益)を得ることができるのか」を明確にして伝えなければいけません。人がものを買う理由は「自分の願望(悩み)を満たすため」だからです。
そのため、お客様の悩みを解決できる方法として、あなたの商品やサービスがどのように役に立つのかを教える必要があります。
このとき、お金を支払うことによるベネフィットを感じ取ることができなければ、潜在顧客をいますぐ客へと教育することはできません。
では、どのようにすればお客様にベネフィットを伝えることができるのでしょうか。その方法は、以下の2つを顧客に認めさせるだけです。
- 得られる利益
- 避けられる損失
得られる利益とは、文字通り商品を購入することによって得られる利益のことを指します。
たとえば、ダイエットサプリを販売する場合、お客様はサプリメントが欲しいのではなく、「楽して痩せられる」といったメリットを感じているから購入してくれます。
また、エステサロンに通ってほしい場合、お客様は「きれいになりたい」といった願望を持っていると仮定できます。
当然のことながら、エステに通いたいわけではなく、美しくなれるための手段としてそれを利用するだけなので、どのような変化があるのかを伝えることが大切です。
一方、避けられる損失とは、「リスク回避」や「損をしたくない」といった願望のことです。
たとえば、お庭の工事で考えてみましょう。一般的には、「デザイン」や「機能性」、「価格」を売りにしてお客様を集める会社が多いです。
しかし、弊社が運営している「見積り外構工事」の場合、「悪徳業者の手口」や「手抜き工事の見抜き方」など、お客様にとって不利益になる可能性があるものの対処法を公開しています。
そのため、ここに集まってくるお客様は「しっかりと工事をしてくれる優良業者を紹介してください」「お金がかかってもいいので、質の高い工事をお願いします」といった「リスク回避」を希望する人が圧倒的に多いです。
人がものを購入する動機は、この「得られる利益」と「避けられる損失」という「願望を満たせる」と感じたときだけです。そのため、顧客教育をする際は、これらを明確に伝える必要があります。
お客様に価値を感じ取ってもらうことができれば、潜在顧客は見込み客へと変化していきます。
そして、お客様に満足してもらい、ファンになってもらうことができれば、そこからリピーターが生まれていくようになります。彼らは口コミを起こし、他の潜在顧客をあなたのもとへまた連れて来てくれます。
つまり、顧客が顧客を呼び、集客に困ることなく大きな利益をもたらしてくれるお客様で溢れかえるようになるのです。
そのためには、あなたの扱っている商品やサービスの価値(ベネフィット)を明確にして、それをお客様に伝えることを心掛けてください。
価値の本質については、以下のページで分かりやすく解説していますので、必ず目を通しておきましょう。
まとめ
ここまで読んでいただけたあなたには、お客様には潜在顧客と見込み客がいて、それらは更に4つの種類に分類されることをご理解いただけたはずです。
集客を成功させたいのであれば、「いますぐ客」の獲得は考えずに、潜在顧客である「まだまだ客」「おなやみ客」「そのうち客」に対する顧客教育を意識して行うようにしましょう。
これを徹底して行うことで、将来あなたから商品やサービスを購入してくれる可能性がある99%のお客様を見込み客へと成長させることができるようになります。
そして、ここから生まれる顧客はファンであるため、競合他社の価格競争に巻き込まれることなく、あなたが決めた言い値であっても喜んでお金を支払ってくれます。つまり、一人勝ちできるようになるのです。
潜在顧客にあなたの存在と必要性を認めさせて、質の高い見込み客を開拓してください。
>>次のページは、ブログで潜在顧客を集客する方法を解説しています。