與五澤 憲一(よごさわ けんいち)
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マーケティングを駆使することで、集客を楽にするのはもちろんのこと、簡単に売り上げを伸ばすことが出来ます。
その手法の中の一つに、「クロスセル」と呼ばれるテニックがあります。クロスセルとは、商品やサービスの購入を検討している、または買ってくれたお客様に対して関連商品を販売することを指します。
たとえば、ハンバーガーを購入する際、「ご一緒にポテトやドリンクもいかがでしょうか?」といったオファーを受けたことがあるのではないでしょうか。これが、クロスセルです。
このクロスセルを駆使することが出来れば、顧客単価が上がるため、結果として売り上げを伸ばすことが出来ます。
ただ、クロスセルは間違った使い方をしてしまうと、押し売りになってしまう可能性があります。こうなってしまった場合、お客様に嫌われてしまい、二度と利用してくれなくなってしまうことでしょう。
そこでこのページでは、このようなリスクを防ぐために、クロスセルの概要から注意点、さらには具体的手法を事例を交えながら分かりやすく解説していきます。
クロスセルとは
冒頭で述べた通り、クロスセルとは購入を検討している、または買ってくれたお客様に対して関連商品を販売する手法のことです。お客様一人当たりの購入商品の点数を増やすことで、顧客単価を上げ、売り上げを伸ばすことが目的です。
たとえば、冒頭で挙げたハーバーガーショップの例の他には、新車を購入する際に勧められるオプションや社外パーツ、保証、コーティングなどがクロスセルです。自動車に関連する商品やサービスであれば、驚くほど簡単に売れていきます。
また、旅行会社のオプションツアーもクロスセルです。基本的には、「オプション」と付くモノはクロスセルであると考えてください。
これがスーパーになれば、レジの横に置いてあるガムやたばこがクロスセルです。また、食材の近くにある「簡単に調理できるレトルト品」やお酒のエリアにある「おつまみ」も、まさにこれです。
このことを知ってからスーパーやコンビニ、その他の店舗を見渡してみると、いたるところでクロスセルを販売していることに気づきます。
その他にも、ECサイト(インターネット上で商品を販売するウェブサイト)で出てくる関連商品はクロスセルです。
たとえば、大手通販サイトのAmazonにて「タコ焼き器」を購入しようとした際、以下のように自動で関連商品を案内してくれます。これを、レコメンド機能と呼びます。


これがパソコンであれば、マウスやキーボード、モニターなどの同時購入を勧めてくるのがクロスセルです。また、テレビの場合、テレビ台やスピーカーなどの関連商品がこれに当たります。
購入を検討している、あるいは既に買ってくれた商品に似たような製品は、その人の趣味嗜好に合っているパターンが多いです。そのため、一つだけでは売り上げが小さかったり、売れづらい商品であっても、クロスセルを活用することで飛ぶように売れていくようになります。
これにより、お客様一人当たりの購入商品の点数が増加するため、顧客単価が上がり、売り上げを伸ばすことができるようになるのです。
クロスセルとアップセルとの違い
クロスセルに似たような言葉で、「アップセル」というテクニックがあります。アップセルとは、通常の商品よりも上位グレードのモノやサービスを販売することで、顧客単価を増大させる手法のことです。
たとえば、新車を購入する場合、より高いグレードを購入するように勧められるのがアップセルです。
その他にも、スマートフォンを買うときに、より保存できる容量が大きい製品をセールスされたことがあるのではないでしょうか。実は、あれもアップセルです。
ただ、アップセルはクロスセルと一緒に説明をされることが多いです。そのため、それぞれの違いを理解していないまま、混同してしまっている人はたくさんいます。しかし、この二つはどちらも売り上げを伸ばすテクニックには変わりはありませんが、全くの別物です。
これを機に、クロスセルとアップセルの違いを覚えておきましょう。
- クロスセル:関連商品を追加販売する手法
- アップセル:上位商品を購入してもらう手法
クロスセルを行うタイミング
クロスセルを行うタイミングは、「購入を検討しているとき」、または「買ってくれた瞬間」が良いとされています。どちらもお客様が「最も財布の紐が緩むタイミング」であるため、これを見逃さずにしっかりとプレゼンをすることが大切です。
たとえば、エステを経営している人が化粧品などの美容に関連する商品を販売したい場合、利用者に対してであれば購入してくれる可能性が高いです。できれば、その製品の効果を実感してもらうことができれば、お客様は興味を持つようになります。
そこで、施術の最中、あるいはお会計の際に「今使っている美容クリームですが、販売しているので良かったらどうでしょうか?」と進めるだけで、必ず買ってくれる人が現れます。
また、これが美容院の場合、髪が痛んでいるお客様にはシャンプーやリンス、トリートメント、仕上げのワックス、ドライヤーなどを勧めれば喜んで購入してくれます。
これが車屋さんであれば、車検の時にオイル交換をしたりオイルエレメント(オイルを綺麗にするフィルター)の交換、タイヤの新調、ワイパーの交換などが挙げられます。
ここで重要なのは、「お客様にとって役に立つ関連商品を勧めている」ということです。
つまり、手当たり次第にオファーをするのではなく、「確かにこれはあった方が良い」と思ってもらえるクロスセルをしなければ、不快な思いをさせるだけです。そのため、クロスセルを行う際は常にこれを意識してください。お客様に感謝されながら、売り上げを伸ばすことができます。
商品を購入してくれたり、サービスに対してお金を支払ってくれたりするということは、必要性を認めていることとイコールです。そして、ここで満足してもらうことが出来れば、より関連商品が売れやすくなります。
ここまで来れば、お客様が財布を開く瞬間に合わせて適切なオファーをするだけで、簡単にクロスセルを成功させることが出来るでしょう。
売り上げをアップしようとしてお客様が離れてしまっては本末転倒なので、お気を付けください。
クロスセルを行う際の注意点
クロスセルを活用すれば、一人当たりの商品の購入点数が増えるため、簡単に売り上げを伸ばすことができることを理解していただけたはずです。
ただ、この手法が使えるのは、お客様にとって本当に必要なものを売るからです。そのため、あれもこれもと勧めてしまった瞬間に、顧客満足度は下がり、あなたのもとからお客様は消えてしまいます。
このようなリスクを防ぐためにも、関連商品だからといって無理な売り込みをしてはいけません。これは単なる押し売りであり、嫌われてしまうだけだからです。
そうではなく、「これがあったらお客様が喜ぶのでは」と思えるような関連商品を進める必要があります。お客様に不快感を与えないために、本当に必要かどうかを判断した上でクロスセルのオファーをするようにしましょう。
これを把握することが出来れば、顧客にとって最適なクロスセルができるようになるため、「ニーズとウォンツの違いから潜在的・顕在的ニーズを理解する」を読んでお客様が何を求めているのかを事前に知っておくことをお勧めします。
クロスセルを活用する方法
いよいよ、この項からはクロスセルを活用する方法を解説していきます。
ただ、ここでは一つ気づかなければいけないことがあります。当たり前のことですが、クロスセルを行うためには、そこにお客様がいなければ何も販売することはできないということです。
しかしながら、クロスセルについて解説しているウェブサイトは多いものの、肝となる集客について解説しているところはありません。
これはあくまでもお客様がいて、必要性を認めている人に対してのテクニックです。「ノーニーズノープレゼンテーション」という言葉があるように、必要性のないところに説明はいりません。
そこで以下からは、集客の方法を交えてクロスセルの活用法を解説していきます。
フロントエンド商品で集客したお客様にクロスセルを提案する
フロントエンドとは、お客様を集めるための商品のことを指します。つまり、集客をするための「エサ」ということです。
たとえば、無料サンプルや無料体験がフロントエンドです。ここでは利益を出そうとはせずに、人を集めることが目的であるため、確実に集客を成功させることが出来ます。
ただ、フロントエンド商品は用意するだけではいけません。告知をしなければ、その存在すら知ってもらうことはできないからです。
お客様に知ってもらうためには、「広告」か「インターネット(ブログやホームページ、メルマガなど)」で大々的に告知するしかありません。
しかしながら、初めの内はできるだけ広告費を抑えたいところなので、ブログやホームページを活用することをお勧めします。正しい運営をすれば、広告費を1円も使用せずに全自動で集客できるようになるからです。
フロントエンドを用意してそれをお客様に届けることができるようになると、お客様が自動的に集まるようになります。
そして、この顧客に対してクロスセルを提案するだけで、簡単に販売することが出来るようになるのです。無料サンプルや無料体験でお客様を満足させることができれば、ファン化するからです。
たとえば、エステサロンで美容品を販売する場合、店舗に来てもらう必要があります。そこで、「初回の人に限り、基本コース無料」あるいは「1時間無料」といったオファーをすることで、多くの人を集めることができます。これが、フロントエンドです。
このとき、利用してくれたお客様に満足をしていただくことができれば、使用した美容品を購入してくれる人が必ず現れます。また、クロスセルが成功した顧客の場合、顧客満足度が高いため、リピーターになってくれる確率も高くなるのです。
これは全てのビジネスでも同じように、応用できます。集客を行うのと同時に、顧客単価が高くなればあなたの会社は一気に売り上げが伸びる上に、リピーターも増加して安定するようになるのです。
ただし、何度も説明している通り、押し売りをしてはいけません。
そうではなく、「これがあったら便利じゃないか?」「あれも提案したら親切ではないか?」といったことを考えてクロスセルを販売しなければいけません。
つまり、お客様の立場に立って、クロスセルを提案する必要があるということです。顧客再度の視点を持つことができれば、クロスセルを簡単に成功させることが出来るようになるでしょう。
商品の必要性を創造することでクロスセルを成功させる
基本的に、お客様は商品の必要性に気づいていません。そのため、たとえ素晴らしい商品やサービスがあったとしても、適当に勧めるだけでは誰一人として買ってはくれません。
そこで、売りたい商品の必要性を認めさせることができれば、簡単に商品を購入してくれるようになるのです。
つまり、大切なことは「お客様が必要であろう商品を提案することができるか」がカギです。むしろ、これができなければモノを売ることはできません。
たとえば、ライターを売りたい場合、煙草を買ってくれる人はもちろん、お線香を購入しようとしている人にも売ることが出来ます。単にライターだけを販売するときに比べて、クロスセルとして提案をしてあげた方が親切なのは火を見るよりも明らかです。
これは極端な例ではありますが、クロスセルを成功させる考え方はまさにこれです。
要は、お客様が心のどこかで「これがあったらいいな」と思っている商品をあなたがいち早く気付き、提案してあげることができるかどうかで、クロスセルの成否が決定すると考えてください。
まとめ
ここまで述べてきた通り、クロスセルを行うことで顧客単価が上がり、結果として売り上げを大きく伸ばすことが出来ます。
ただし、押し売りにならないようにすることだけは徹底してください。売り上げを伸ばそうとしてお客様に嫌われては、本末転倒です。
そうではなく、「これがあったらお客様にとって役に立つ・親切なのでは?」ということを真剣に脳に汗をかいて考えてください。クロスセルはお客様に無理やり関連商品を購入してもらう手法ではなく、顧客満足度を上げるための戦略であると考えるようにしましょう。